並んでまで食べたいものには、たぶん理由がある。、、なんて恥ずかしながら言ってしまってます。リッキーです。売り場に列ができていて気になったのが、ノワ・ドゥ・ブールの「ガトー・アソートメント」。フィナンシェとマドレーヌ・ママンが、丸いわっぱに収められた焼き菓子の詰め合わせです。誰かに渡すための姿をしているけれど、今回は自分への小さなご褒美に選びました。何でもない日に買うには少しだけ特別で、それでも大げさにはならない。このくらいの距離感が、今の気分に合っていました。
フィナンシェは、表面の香ばしさが先に立ち、そのあとから焦がしバターとアーモンドの風味がゆっくり広がります。噛むと外側には心地よい歯ざわりがあり、中はほどけるようにしっとり。小さいのに、味の輪郭がはっきりしています。対してマドレーヌ・ママンは、やわらかな口あたり。はちみつの濃い香りの奥に、サワークリーム由来のほのかな酸味があり、余韻が重くなりすぎません。似た色をした二つのお菓子なのに、並べて食べると性格はきちんと別。濃いめのコーヒーと合わせながら、今日はどちらにするか迷う時間まで含めて楽しめました。わっぱを開ける所作にも、少し気持ちが整う感じがあります。
派手な驚きではなく、静かに一日を持ち直してくれる箱。食べ終わってから残るのは、甘さよりも焼き上がった香りでした。自分用として選びましたが、同じように少し疲れている友人へ渡すのもよさそうです。「頑張ったね」と言葉にしすぎず、そっと置いておける。そんなギフトだと思います。次に列を見つけた日も、急いで通り過ぎず、少しだけ並んでみます。


