帰省の手土産は、誰か一人に刺すより、そこにいる全員の時間を整えたい。Y下です。実家へ帰るときに選んだのが、シヅカ洋菓子店 自然菓子研究所の「No. 1 Shizuka Biscuit」。ハニーや紅茶、全粒粉、ダブルカカオなど、6種類のビスケットを詰めた大きな缶です。まず目を引くのは、花や鳥が描かれた田園風景のような中身。華やかですが、飾り立てた感じはありません。家族が集まる場で箱を開け、そのまま中央に置ける。帰省の挨拶を言葉だけで終わらせない、ちょうどいい手土産です。
ビスケットは、噛んだときの軽い歯ざわりと、素朴な香ばしさが印象的でした。ハニーは穏やかな甘さ、紅茶は噛むほど香りが立ち、全粒粉には穀物らしい深さがあります。ダブルカカオのしっかりした風味を挟むと、レーズンの甘みやフロランタンの香ばしさがまた違って感じられる。派手な味を競わせるのではなく、順番に食べることで一枚ずつ表情が変わる詰め合わせです。コーヒーにも紅茶にも合わせやすく、好きな味をそれぞれ選べるのも家族向き。大きな缶を囲んで「次はこれにしよう」と手が伸びる。その自然なやり取りまで、この手土産の価値に含まれている気がします。
帰る理由は自分にあっても、持っていくものは場の全員を見て選ぶ。No. 1 Shizuka Biscuitは、そんな大人の帰省に似合う缶です。量の多さだけでなく、見た目に会話があり、味にはそれぞれの逃げ道がある。好みを押しつけず、それでも手を抜いた印象にはなりません。食べ終わったあとの缶が家に残るのも、少しうれしいところ。次に帰る日は、家で淹れるコーヒーに合いそうな一枚を先に考えておきます。


