久しぶりに会う約束が決まった日の帰り道、スマートフォンの予定表にその日を入れる。楽しみなはずなのに、画面を閉じたあと、なぜか少しだけ落ち着かない。最後に会ったのはいつだったか。髪型は変わっただろうか。仕事はどうしているだろう。話したいことはいくつもあるのに、最初のひと言だけがうまく浮かばない。
長く会っていなくても、友人であることは変わらない。それでも、会わなかった時間の分だけ、お互いの生活には知らない出来事が増えている。昔のようにすぐ笑い合える気もするし、以前と同じ距離に戻れるのか少し心配でもある。楽しみと緊張は、反対の感情ではない。大切な人との再会だからこそ、両方が一緒にやってくる。
そんな日に、小さなGiftを持っていきたくなることがある。何かのお祝いや、お世話になったお礼というほど、はっきりした理由はない。ただ、会えることを楽しみにしていた気持ちを、手ぶらではない形にしておきたい。「今日を待っていた」と口にすると照れくさいけれど、渡すものがひとつあれば、その気持ちを少しだけ預けられる。
選ぶなら、相手に理由を考えさせないものがいい。帰宅したあと、鞄から取り出して気軽に楽しめるもの。忙しい夜や次の休日に、ふと今日の会話を思い出しながら手に取れるもの。食べればなくなる甘いものや、暮らしの中で無理なく使える小さなものなら、「お返しを考えなければ」と思わせずに済む。受け取る負担まで軽いことは、親しさのひとつなのだと思う。
実際に顔を合わせれば、心配していたことが嘘のように話が始まるかもしれない。昔と変わらない口癖に笑い、知らなかった近況に驚き、気づけば次に会う日の話をしている。Giftは、その時間の主役ではなくていい。別れ際に「これ、よかったら」と渡せるくらいがちょうどいい。その小さな包みには、会えなかった時間ではなく、今日会えたことへのうれしさが残る。
久しぶりの再会には、会いたかった時間を軽やかに渡せるものがいい。



